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アメリカの教育の平等と学校選択制度、
アメリカの教師教育、アメリカの小学校の教科担任制

教育学部 学校教育課程

幼小連携教育コース

成松 美枝 准教授

Narimatsu Mie

教育学博士

研究分野

教育制度、教育政策、教師教育、教育方法、教育の平等

キーワード

学校選択、教師教育、教育の平等、教育の方法

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教育学部 学校教育課程 幼小連携教育コース

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研究概要

日本の公教育の平等化と 教師教育改革を研究 日本に適した学校教育をアメリカに学ぶ
私は、教育の平等化政策に関してアメリカを中心に研究しています。アメリカ・ウィスコンシン州は1970年から学校選択制を導入し、学校教育の平等化を図ってきた州です。そこに2年間留学し、現地の学校・教育行政局を調査訪問して学校選択制の事例を研究し始めたのが始まりです。

■学校選択制
私が研究を始めた2000年頃は、受験した場合の私立学校以外では、決められた公立学校への進学が一般的で、まだまだ学校選択制度は知られていませんでした。しかし「よりよい公教育を作っていきたい」との思いで日本に学校選択制を紹介したところ、10年後には日本の一部で導入が始まりました。学校選択制のメリットは、行きたい学校を選べるという点にあります。例えば英語教育や音楽教育に特化した学校のように、特色のある教育を行っている学校を選ぶことも可能になります。

■教師教育改革
2012年からは、アメリカの一体的な教師教育改革についても研究しています。本研究の目的は、教員の資質・能力を向上させていくために、アメリカの大学と教育委員会がどのようなシステムで養成・採用・研修での学びを連携させ、教師教育を構築しているのかを明らかにすることです。現在の日本教育の職場環境は教師の時間外労働が多く、多忙であるといわれます。教育の質を上げるためにも、また今後の安定した教職のあり方を考えるためにも、「教員養成・採用・研修」の3つのベクトルを一体的に考えることが必要不可欠です。

■小学校の教科担任制
昨年からは、小学校教員の教科担任制に関しても研究しています。学級担任がいない中でのクラス運営のあり方や、教科担任の場合の養成制度等は十分に議論・検討される必要がありますが、公教育の平等化と充実の観点からも教科担任制は有効です。研究を重ねていくことで、教師教育改革を行っていく上での検討材料にしたいと考えています。

学校教育は勉強だけでなく、社会性の基盤ともなる重要な教育です。今後、世の中の情勢がよくなれば現地まで行き、現状の法制度やシステムをしっかりと調査していきたいと考えています。

MESSAGE

教育の平等化政策をアメリカを中心に研究しています。大学院時代は、アメリカ・ウィスコンシン州の学校選択制を、現地の学校・教育行政局を調査訪問して事例研究を行いました。大学教員になってからは、アメリカの教師教育に関して、「教員養成、採用・研修の一体的改革」として捉えながら実証的な調査研究を続けています。

主要業績

  1. 著書 『米国都市学区における学校選択制の発展と限界‐ウィスコンシン州ミルウォーキー市学区を事例に』 渓水社、2010年○査読つき 博士論文
  2. アメリカ合衆国における学校選択制度の展開 -マグネットスクールの発展経緯とその動向―  東京大学大学院教育学研究科紀要 第38巻 1998年 ○査読つき
  3. 米国都市学区における「通学区域制」の再考―ミルウォーキー市の近隣学校計画 日本教育行政学会年報第28号、2002年 ○査読つき
  4. 学校選択制における私立学校問題―米国・ミルウォーキー市のヴァウチャープログラムの事例を通して― 日本教育制度学会 2002年 ○査読つき
  5. 学校選択における教育の多様化とアカウンタビリティー追求―ミルウォーキー市のマグネットスクールの実践事例を通して― 東京大学大学院教育学研究科 教育行政学研究室紀要、第23号、2004年○査読つき

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