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疾病予防と健康増進による人と社会の幸福を目指した研究

医学部 医学科

社会医学講座

原 めぐみ 准教授

Hara Megumi

医師 医学博士

研究分野

ゲノム・エピゲノム疫学、ワクチン疫学、予防医学、健康行動科学、公衆衛生学

キーワード

予防、ゲノム、ヘルシーエイジング、ワクチン、健康教育

CONTACT

医学部 医学科 社会医学講座

TEL 0952-34-2289 / FAX 0952-34-2065 / MAIL harameg

研究概要

疾病予防と健康増進のための疫学研究で幸福な社会の実現を目指しています 疫学研究で疾病予防を
人生100年時代を支えていくうえで、健康は最も大事な要素になってきます。私は、幸福な社会の実現に貢献するために、健康増進と疾病予防の観点から、2つの柱で研究を続けています。

■ゲノムコホート研究
佐賀市民約12,000人(研究スタート時40歳から69歳)を対象にしたゲノムコホート研究を、2005年から継続して行っています。この研究は、日本全国の10ヶ所以上の研究機関で10万人が参加している共同研究で、現在も5年に一度の健康状態調査を行いながら研究を続けています。市民から採取したゲノム情報、血液や尿中のバイオマーカー、身体活動量の情報が、がんや心疾患、脳血管疾患、糖尿病の発症にどのように関連するかを明らかにすることで、個人の体質に応じた生活習慣病の予防法の解明に役立てることを目的としています。同時に、抗酸化・抗炎症・遺伝子修復にも着目し、アンチエイジング・ヘルシーエイジングを目指した研究も行っています。研究で得た知識をもとに禁煙やダイエットの指導なども行っています。

■ワクチンによる疾病予防
新型コロナウィルス感染症の世界的な流行でワクチンの開発が注目されていますが、私が行っているのは、開発・承認されているワクチン(新型コロナウイルスワクチン、インフルエンザワクチン、百日咳ワクチン、ロタウイルスワクチン、HPVワクチン、おたふくかぜワクチンなど)の有効性、安全性、費用対効果、接種忌避などを評価し、疾病予防に役立てる研究です。グローバル化が進んだ社会では今後も新たな感染症の脅威が起こる可能性があり、ワクチンによる予防はますます重要になってくると考えられます。

今後は、2つの研究による疾病予防と健康増進のエビデンスを構築し、実社会で役に立つ予防方法を提案したいと考えています。正しい情報を正しく伝えるためには、行動経済学や心理学、コミュニケーション分野との共同研究も必要です。また、個人の行動変容を促すための手段として、腕や手首につけるウェアラブルデバイスやIT機器などへの展開も視野に入れ、これまでの研究を、より分かりやすい方法、より使いやすいシステムで社会に還元していくことを目指しています。

MESSAGE

人生100年時代に人々が幸せに暮らしていくためには、健康はかけがえのないものです。個人の遺伝的リスクに応じた疾病予防や健康増進をはじめ、グローバル社会の中では今後も発生しうる新興・再興感染症の予防も健康をまもるうえで重要な課題です。疫学研究によって体質に応じた予防やワクチンによる予防のエビデンスを構築し、実社会で役に立つ予防方法を提案したいと考えています。
そのためには、医学系の研究者だけでなく、行動経済学や心理学、コミュニケーション分野の他、ウェアラブルデバイスやIT機器などを使った個人のリスク評価や行動変容支援のための機器開発に関連する分野の研究者や企業、地域での介入や調査研究に興味のある大学院生など、たくさんの方々とチームを組んで研究を展開していきたいと思っています