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イオンチャネルを標的としたメカノバイオロジー

医学部 医学科

生体構造機能学講座

城戸 瑞穗 教授

Kido Mizuho

博士(歯学)

研究分野

組織細胞生物学、分子細胞生物学

キーワード

イオンチャネル、創傷治癒、骨代謝、口腔粘膜、感覚

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医学部 医学科 生体構造機能学講座

研究概要

感覚と疾患との関連の研究を通して 多様な人材の育成を行っています イオンチャネルの仕組みを解明し、治療に役立てる
私たちは、温度感受性Transient receptor potential (TRP) チャネルや機械刺激感受性のPiezoチャネルに着目しています。イオンチャネルが温度や力といった刺激に応じた組織構築を実現する仕組みの解明に取り組み、ヒトの疾患治療に繋がる成果とすることを目指しています。

■注目のTRPチャネルに発見当初から着目
口は食べる、話すなど私たちにとって身近で重要な器官です。口腔感覚が適正であれば元気に楽しく過ごせますが、口の中に痛みや不快な感覚があると行動や感情にも大きく影響し、なかには学校や仕事を辞めてしまうほどの苦しみを抱えておられる方がおられます。多様な硬さの食べ物や大きな温度変化、刺激物など多彩な刺激にいつも曝されている口が、その刺激を鋭敏に感じるその仕組みは、判らないことがまだたくさんあります。
私は、2021年ノーベル医学生理学賞の受賞対象となった温度感受性および機械刺激感受性のイオンチャネルを発見当時から研究してきました。私たちの表面を覆っている上皮がイオンチャネルを介して温度変化に応答し、傷の治りや歯周病(歯槽膿漏)などへ関わることを報告してきました。現在は、イオンチャネルをターゲットとした創薬を目指して取り組んでいます。

■医療従事者の多様なキャリア支援も
楽しい研究を何とか続けたい一心で、二人の子どもを育てながらもキャリアを継続する幸運に恵まれました。その試行錯誤してきた経験が今の私を支え、女性など多様な医療従事者のキャリア支援や職場環境に関する学際的研究に発展してきました。私の小さな経験や研究が、女性を含む多様な人材が活躍する次世代の環境整備に繋がることを期待しています。

■研究者の育成
小さなグループだからこそ、私たちの研究室は自由な発想で柔軟に思いついたことを即行動に移すことができます。日本学術振興会等の科学研究費等の支援を受け、次世代を担う人たちに以下のような研究に必要な力を備えてもらいながら、一緒に研究を楽しんでいます。
●美しく解像度の高い顕微鏡画像を得る力、得られた画像から違いを見いだす力
●科学的に適正な論理的思考力
●国際レベルで活躍するための英語での討論や論文発表力
●多様な観点から人やものごとを捉える力

  • イオンチャネルを標的としたメカノバイオロジー

MESSAGE

私たちは、研究者として研究結果に対して常に謙虚で多様な可能性を考えるよう努め、メンバーに対しても性別や年齢、背景などにとらわれず、「研究を楽しみたい」という純粋な思いを尊重し、みんなで挑戦と成長を楽しんでいます。ご一緒に研究してみませんか。