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潮流発電用タービンの実用化に向けた高効率化とキャビテーション性能について

海洋エネルギー研究所

鶴 若菜 助教

Tsuru Wakana

工学博士

研究分野

流体工学、流体機械、混相流

キーワード

ターボ機械、海洋エネルギー、キャビテーション

CONTACT

海洋エネルギー研究所

MAIL tsuruw

研究概要

キャビテーションの抑制を研究し、潮流発電の実用化への貢献を目指します。 潮流発電システムの高効率化、低コスト化に取り組む
私は学生時代からキャビテーションの研究を行っており、その経験を活かして潮流発電システムの高効率化、低コスト化に取り組んでいます。

■可能性を秘めた海洋エネルギー
脱炭素社会に向け、さまざまな取り組みが盛んになっている中、海洋エネルギーは大きな注目を集めています。特に海に囲まれた日本においては大きな可能性があり、クリーンエネルギーとして開発が進んでいます。海洋エネルギーには海洋温度差発電、波力発電、洋上風力発電、潮流発電、水素エネルギーなど多くの種類がありますが、私が取り組んでいるのは規則的に変動する潮の流れを利用した潮流発電です。
潮流発電の実用化に向けては、メンテナンスコストの削減、日本海域に適した発電システムの開発、高効率なタービンの設計、潮流からより大きなエネルギーを得るための装置の開発などが必要で、その際タービンの周辺で起きるキャビテーションも大きなポイントとなってきます。現在は、水深やタービンの回転数などに対するキャビテーションの発生限界や、適切な翼の設計、およびキャビテーションの抑制に関する研究を行っており、これらの研究を活かして大出力の潮流発電用タービンを開発することで、実用化に貢献できると考えています。

■研究の拠点となる海洋エネルギー研究所
佐賀大学の海洋エネルギー研究所は、日本の海洋エネルギーに関する共同利用・共同研究拠点として位置づけられ、研究基盤を確立してきました。特に海洋温度差発電に関しては技術面で世界に先行し、海洋温度差発電を核とした研究設備をマレーシアに設置するなど、世界トップクラスの実績を残しています。
共同利用・共同研究拠点であるため、学内外を問わず多様な分野の研究者がいることで視野が広がるとともに、時には分野を越えて相談することが可能であることも、研究をしていく上での大きなメリットであると考えています。
この恵まれた環境で潮流発電の分野で研究を進め、海洋温度差発電と同じように佐賀大学が先陣を切って実用化できるよう取り組んでいきたいと考えています。

  • 浮沈させた潮流発電用タービン(イメージ)

  • 海底に固定された潮流発電用タービンとキャビテーション(イメージ)

MESSAGE

脱炭素社会に向け、様々な取り組みが盛んになっています。潮流発電は、潮汐による再生可能エネルギーを利用した次世代発電です。潮流発電システムの高効率化、低コスト化、実用化に向けて取り組んでいます。

主要業績

  1. Tsuru, W., Ueno, S., Kinoue, Y. and Shiomi, N., Comparison of One-Dimensional Analysis with Experiment for CO2 Two-Phase Nozzle Flow, Open Journal of Fluid Dynamics, Vol. 4, pp. 415- 424, 2014.
  2. Tsuru, W., Konishi, T., Watanabe, S. and Tsuda, S., Observation of Inception of Sheet Cavitation from Free Nuclei, Journal of Thermal Science, Vol. 26, pp. 223-228, 2017.
  3. 北村宗一郎,江原悠眞,鶴若菜,渡邉聡,津田伸一,能見基彦,境界層特性の異なる迎角におけるClark Y 翼形のキャビテーション発生下の揚抗力,ターボ機械,Vol. 12,No. 46,pp. 715-722,2018.
  4. Zhang, Q., Takahashi, F., Sato, K., Tsuru, W. and Yokota, K., Jet Direction Control Using Circular Cylinder with Tangential Blowing, Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Vol. 64, No. 3, pp. 181-188, 2021.
  5. Tsuru, W., Kang, D., Sato, K. and Yokota, K., Proposal of Design Method for Viscous Micropumps with a Rotating-Disk Using Theory and Simulation, International Journal of Fluid Machinery and Systems, Vol. 14, No. 4, pp. 394-407, 2021

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